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BRM425 To see the sea !!  ③

  4.本編その3 (起死回生)

 高山を過ぎて漕ぎ出すとどうしたことか脚が酷く軽く感じます。高山PCでスタッフの方に「うちがケツですよね?」と聞くと「いえ、まだ後ろに大分居ますよ」と教えられて驚いたり、「ひらまつさんとクラインさんはコンビで走ってはりますよ。大体入れ違いくらいでPCに入ってきてますね」と客観的な位置を教えてもらったことも心の支えになりました。

 しんどいのは私だけじゃないのです。皆苦しいながら走り続けているのだと思うと勇気が沸いてきます。まみぞーさん達もPC毎に前後しながらご一緒になり、その淡々とした姿に励まされるのでした。私にはない強さを奥さんに見ます。

 広い街中の道沿いを峠に向かって走ると、なんとスピードがどんどん上がっていきます。27キロ毎時、29キロ毎時、30キロ毎時を見た時は感動しました(下りです(笑))。出発以来初めての30キロ巡航です。でもしんどくありません。

「私、走れる!!!!走れるよ!腹ぽん!!」

後ろから叫びたい気持ち。腹ぽんがここまで辛抱強く待ってくれたお陰で200キロを過ぎた今、ようやっと風邪を超え、びしょ濡れの寒さを超え、ハンガーノックを超えて本来の私の走りが還ってきたのを感じます(これも勘違いだったかもしれませんが)。

謳おう!!雨のブルベを謳って走りたい!!(殆どランナーズハイ?)。

noteアロンザ ファ デユ ラ パトリーユ!・・・・・noteなぜかフランス国歌を大声で謳いながら雨の国道を走ります。(なーぜー・・・)お次はnote・・・トールナー、ソーレントォー、ノンファルミー モッジール!!note「帰れソレントへ」を熱唱。

そしてふと「君の行く道は」を謳います。

note君の行く道は 果てし無く遠い なのに何故 歯を食いしばり 君は行くのか そんなにしてまでnote

嵌りすぎの歌詞に思わず一人で爆笑します。もう、果てし無く遠いし、ワケわかりませぬ♪と一人で突っ込みを入れ、ここで笑えた自分が嬉しくてまた、ひとしきり一人で笑い続けました。まあ・・・・・・傍から見れば笑うどころかドン引きでしょうが (^^;

峠に入る道は傾斜が少し強くなってカーブを描いているのが前方に見えます。そこを4人ほどのブルベストが登っているのが見えました。オレンジ色の雨具が見えたように思ってひらまつさんかと期待します。が、腹ぽんに「ちゃう」と敢無く却下しますが、海苔の習性でしょうか、前方に餌を見て腹ぽんの脚が早くなるのが判ります(笑)。私はマイペースで登りますが、それでも差が縮まっていくのを見て頂上までには追いつけるだろうと嬉しくなりました。と、「やっぱりひらまつさんやheart02!!」と超嬉しそうな腹ぽんの声。ぐいぐいとスピードを上げて追いついていく姿は、仲間に遭えた喜びに溢れてます。和やかに談笑する姿を見て、私も少しだけ無理のない程度スピードを上げます。

ひらまつさんとクラインさんに追いついたheart04 これで安心heart04

心の底から暖かい気持ちが沸いてきました。久しぶりにあった友、元気に笑って走っている♪懐かしいなあ!よくぞここでまた遭えた、そんな気持ちです。

   5.本編その4 (日本縦断の時)

そこからはひらまつさん、クラインさん、キャノンデールの方、腹ぽん、私の5人で峠を登ります。皆でおしゃべりしながら登る峠の楽しいこと!!決して絶対的には楽ではないのです。ゼイハア言ってますが、今までに比べて先に希望が見えてきたのもあり、皆で越えれば怖くない、という気持ちもあり、ひらまつさんの笑顔もありで。登りの途中でゆーばーばーさんを吸収します。「ゆーばーばさん♪バナナ落っこちてましたよん♪」。高山PCを出て直ぐにゆーばーばさんのバナナが路肩に落ちていて腹ぽんと爆笑していたのでした。そこからは6人で♪皆で登る峠は短くて気が付いたら「すごう峠」とやらに到着していました。

ここから延々下ると富山に到着するはずです。ひらまつさんの超早下りに必死についていくと寒いことも忘れます。折角追いついたのに、ここで離れてしまうのは勿体無いもの。

ここらで休みたいなあ・・・と思っていたあたりで道の駅「細入」が現れます。手をひらひらとさせて誘導するひらまつさん。あり難い confident。ここの自販機で飲み物を買ったり持参したオヤツを食べたりして20時頃から20分近く休憩します。

P4250016

ひらまつさんからは「TRAIN BLEU」のパンの差し入れを頂きます。美味しかったと思うのですが、ここらあたりから何を食べても苦味を感じるようになっていて本当の美味しさは良く判らなかった用に思います。これは是非リベンジしないとねconfident。それにTRAIN BLEUのホームページにはこんな説明がありました。

長い道のりを、目的地に向かってコツコツとひたすら走り続けてゆく、という願いを込めてつけました。

なんともはや confident 私たちのためにあるようなパン屋さんではないですか。寄れなかったのは悔しい限りです。細入道の駅を出てからも急降下速度は緩むことを知らず、対向車がくるとライトが眼鏡に反射して怖い思いをします。でもここは無理をしてでも付いて行きましょう。街中まで一気に下り、その後も快進撃は止まりません。久しぶりのトレイン乗車は気持ち良く、距離を一気に稼いでいきます。富山のPC300キロ地点手前に到着は高山で思っていたより早く22時15分のことでした。もっとも最初の運行予定では富山に21時に到着する予定でした。1時間以上の遅れです。果たして寝る時間はあるのでしょうか?

ここから富山新港に浮かぶ海王丸を見に「海王丸パーク」へ向かいます。これは「観光」ではなくブルベ主催者の「指示」ですので外すわけにはいきません。

P4250018  海王丸はひっそりとライトアップされて夜の港に浮かんでいました。日本海までやってきたのです。とうとう・・・・・・・じんわりと嬉しさが込み上げてきます。やった・・・・。

「腹ぽん・・・・・ここまで来れたのは腹ぽんのお陰だわ・・」「いや、僕のほうこそ」。なんでだか判りませんがお互いに感謝の気持ちがありました。ここまで苦しい時はお互いに対する愛情というか気遣いを糧にして走ってきた面があるからかもしれません(ちょっと面映い・・・)。

そして「ナントカの湯」でお風呂に入って仮眠して♪服を乾かして♪と夢のようなアロハ~な世界を思い描いてワクワクと健康ランドに向かいます。が、なぜかもう夜の23時15分です。がびーーんと打ちのめされます。これじゃ24時終業までお風呂に入るだけで時間は過ぎてしまいます。特に女性はお風呂に入った後が長いのです。15分仮眠できれば良い方だと気づき、悩みますがここはパスしてもう少し仮眠出来る場所を探そうと思いました。

腹ぽんも元々気が進まなかった仮眠場所ですので、ここで休むクラインさん達にお別れを言い、二人で高山目指して走り出しました。海抜0の富山と高山との間には真夜中の「すごう峠」895mが立ちはだかっているのですが。

   6.本編その5 (闇に謳えば夜に呑まれて、朝の光が峠を照らす)

「高山のラブホで眠ろう♪」この時はそれだけを考えて引き返しはじめました。でも、暫く走ると緩いながらも登り基調、だんだん脚が重くなってきます。今から良く考えると夕方5時に高山を出てからまともな食事はしてません。高山から100キロ碌な補給もせずに更に峠を越えようとしてました。だんだんと腹ぽんに付いていけなくなり「どこで休む?休もうよ」と懇願すると「来る時に休んだ道の駅細入で休む。」と。富山から約50キロ地点です。つまり道の駅から往復100㌔を休み無しで走るつもりのようでした。

 それは私には無理かも知れない、と思います。脚はますます重くなる。眠いのかしんどいのか良く判らないのですがスピードが極端に落ちてきたのが判ります。

 とうとう「ダメだ、休ませて」と泣きつくと、ぎょっとしたように振り返りました。慌てて休息場所を探します。幸い直ぐ傍のスーパーの自販機の上に屋根があり雨が凌げる様です。そこに行くといきなり地面にゴロンと横になってしまいました。とうとう私も自転車難民だな、などと思います。実は皆と走った富山市内の高速トレイン巡航が大分堪えていたのです。少し休みたかった。。。。。今頃クラインさんはお風呂に入ってさっぱりしてるだろうなあ、と思っていると腹ぽんがこっちにベンチがあるよとおいで、おいで、と抱えるようにしてベンチに寝かせます。横になって目を瞑ると全身の力が抜けていき、アースみたいに脚から地面に疲れが抜けていくのが判りました。ほんの少し10分ほどの仮眠でしたが、目を開けると走れそうな気がします。横になったまま見た視界の中で腹ぽんは寝ずにコーヒー缶を飲んでいました。

「行こうか」「大丈夫?」「うん」

さっと準備して走り出します。体が軽い。仮眠テ意外と効果があるなあ、と思いつつ市街地を抜け41号線神通川沿いの道をえっちらおっちらと登っていくのです。下を流れる神通川は「どぉっ どぉっ」と物凄い音を立てて岩にぶつかって流れています。夜の闇のなか目を凝らすと爆発したように白く泡立つ奔流がうっすらと見えました。

「どぉっ どぉっ」 雨が降り続く中、奔流の音を聞きながら山を登ると少し不安になります。じんわりじんわり登っていき、ああしんど、と思った頃道の駅細入に到着です。ここで休憩と補給をします。誰もいない道の駅、飛騨牛串の貼り紙が虚しく光っていました。飛騨牛は今回は縁がなかった・・・(悔)。ここから峠の頂上までまだ20キロ以上あるはずです。流石にゲンナリしますが、「ゆっくりでも登り続ければちゃんと着くから」と、もはや呪文のように唱えつづける腹ぽんの言葉を頭の中で「ウン、判ってる。登り続ければ・・・」と繰り返すばかり。適当に休んで峠攻略に乗り出します。

でも走り出してまもなく、富山県と岐阜県の県境の猪谷トンネルで腹ぽんがパンクしました。次の小さな庵谷トンネルの出口まで走り、そこでタイヤの交換をします。夜中の2時くらいだったでしょうか。幸い雨は当たりません。ただ風がトンネル入り口目掛けて吹いてきて、止まっていると寒いのです。チューブラータイヤを外しにくそうな腹ぽんに「何か出来ることある?」と聞くと「手拭だして」。もうべしょべしょになっていましたが手拭を絞って渡します。「あとは?」「タイヤレバー出して」。ツール缶からタイヤレバーを引っ張りだして渡します。私に出来ることはあとは折りたたまれた予備タイヤを伸ばしておくことくらい。と、広げ初めてぎょっとします。一度ホイールに嵌めていてトレッド面が薄くなったので予備タイヤにしていたのでしょう、タイヤの接着面にはびったりと接着剤が残ってました。それが折りたたまれてトレッド面にべたべたとついてます。

「これは・・・・・・ゴミを拾ってパンクさせてくださいと言ってるようなタイヤだわ・・」

必死になってトレッド面を手拭で擦り接着材を落とそうとします。でも全然取れないの(泣)。とうとう諦めてこう思うことにします。「きっと雨で接着力が落ちてゴミなんか拾えないよ」。何も言わずに手を伸ばした腹ぽんにタイヤを渡します。腹ぽんが作業している間、私に出来ることは殆どありません。段々と体が冷えてきます。背後のトンネルのヒューヒュー音を立ててる気味の悪い暗い空間に呑み込まれそうな錯覚に陥ります。闇が怖い・・・。不安な気持ちが蓄積されて、30分弱で腹ぽんのタイヤ修理が終わっても体、いや心が冷え切ってました。ブルブルと震えて「腹ぽん、寒い・・・ぎゅうっとして。」と小さな声で言うと腹ぽんがゴシゴシと抱きかかえて体をさすってくれながら「御免なあ、パンクして御免なあ。」と言い続けました。パンクは誰のせいでもないのにねえ・・・。なんとなく心と体が温まり、二人で出発です。

暫く走って割石温泉手前、3時ごろです。雪から道を守る援壁が続くあたりでどうしようもない眠気が襲ってきます。眠い眠いと言っていると腹ポンが「もう高山でホテルに行く時間もないしバス停で寝よう」と言います。やった~happy01。寝れる~♪。それだけが嬉しかったです。割石温泉のバス停が目に入ります。PCでのブルベ主催者K氏の情報通り立派な引戸のついたいかにも寝れそうな建物です(と、その時は思いました)。いそいそと中に入ると、2畳位の建物の中にちょうど二人分、L字型のベンチがあります。

しかも扉を閉めると中は暖かいでわないですかっ happy02 二人の体温で室温があがっていくのも感じます。ほっと安心。「いや~、ここ好いねえ~♪」「ほんまええとこ教えてもらったね~♪」と腹ポンがいそいそとエマージェンシーシートを出してくれます。ガシャガシャと音を立てながら銀色の薄いシートに包まり、ベンチに横になります。顔の半ばまでシートで包んで目を瞑ると、全然寒くありません。全身の力が抜けるような安心感に一気に眠りに落ちていくのを感じました。遠くで「1時間後4時過ぎにアラームかけとくね。」という腹ポンの声を聞きます。「私、全然平気で寝ちゃいそうダヨ、腹ポン♪」心の中で呟くとあっちゅう間に意識がなくなっていました

・・・・・・・・ふと目が覚めます。川が流れる音が聞こえます。バス停の窓からは明るい朝日が見えます。寝ている間に夜が明けたのですね。寝過ごしたのかな~、気持ちいいなあ~。お外でなんか寝れないて言ってたの誰だったけな~、などと考えながらお布団(銀紙ですが・・)の中で愚図愚図してると少しシ・ア・ワ・セ・♪人間、暖かく寝れたらどんな状況でも幸せになるものなのですネ♪

と、腹ポンの携帯が鳴り響き始め、寝過ごしたんじゃないことを知ります。何時もの朝のように「うぐ・・ぐうう・・」と寝惚けた声を立てながら、腹ポンが目覚ましを止めるのを見て「起きてるよ♪」とエマージェンシーシートから起き上がります。二人でシートを畳むのに手間取りながら、ライトをつけると準備はオッケイ。

雨もやんで外も心配したほど寒くなく、また登り始めるのでありました。えっちらおっちらと上っていきますが1時間の仮眠はえらいもんでして体がえらく楽になります。途中で降り出した雨の中、眠気もなくなってすごう峠に到着したのが 5時55分でした。P4260021

記念撮影します。ここが今回のブルベの一番の山場だと思ってました。ここさえ越えたらあとは高山PC400キロ地点まで一気の下り、高山からは200キロを残すのみです。

「完走できるかも」と思い始めたのはこの頃です。

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