« 2009年4月 | トップページ | 2009年7月 »

2009年5月

To see the Sea!! 名古屋ブルベ600キロ④

 7.本編その6(おうちへ帰ろう!)

下り始めると寒い。風が濡れた服をどんどん冷やしていきます。

「ああ~・・・・高山で熱いお風呂に入りたい・・・」思うのはそれだけ。下りきったあたりでは体が冷え切って脚が回らなくなっていました。ケイデンスを上げて走ろうとしても時速20キロを切ってしか走れません。

と、ここでゆーばーばーさんにお会いします。仮眠をとらずに夜中かけて峠を越え、寒さのあまりコンビニに寄ってうどんを食べてきたところだそうです。暫くお話してましたが、こっちのペースが上がらないので「寒いからスピード上げていきますわ」とゴリゴリと漕いで走っていかれました。何時もながら凄いパワー、体力だわ~(@@)と感動してお見送りしました。

と、その時右手に「コインランドリー」の建物が目に入ってきます。ここでハっと思い出しのたのはひらまつさんが「せとうちブルベ」の時に貸してくれた「ロングライドに出かけよう」という本の一節。峠を下って寒くて体が動かなくなった時、コインランドリーで暖をとる技が紹介されていました。「あそこに行こう!!」と腹ぽんと駆け込もうとすると、さっぱりした顔で出てくるブルベスト一名。「おお!あなたもですか」と同じ穴のムジナ同志のご挨拶。

コインランドリーに入ると暖房しているのではないかと思うほど暖かでした。機械をみると「完走機」なんてあるじゃないですか~♪・・・・<「乾燥機」です、ハイ (^^;。8分100円という超お得ぶり。早速濡れてしまっていた替えのジャージをサドルバックから出して放り込みます。と、自分が今着てる服も乾かしたい・・・・でも、ジャージを脱いじゃうと裸んぼさんになっちゃうんだよね?coldsweats01  でもこのチャンスを逃したらあと200キロずっと濡れたまま・・・・(悩)・・・雨が上がっても雨具を脱いだら濡れたジャージだと寒いだけ・・・

ままよ!!!「腹ぽん、誰かきたら教えてね!!」

と言い置いて店の奥のほうですっぱり脱いでしまいます。雨具を脱いでジャージをエイヤっと脱ぐと慌ててもう一度雨具を着ます。これで無事裸ンボ峠は越え、意気揚々とジャージも乾燥機に放り込みます。この峠は帰りにまた越えないといけないのですが。流石にタイツはよう脱ぎませんでした・・・(あまりに危険すぎる峠ぢゃ!)。

あとは8分間待つのじゃぞ!と待っている間に補給食も食べます。温くて笑顔がこぼれます。乾燥機を開けると完全とは言いませんがかなり乾いた衣類がそこにありました。慌ててジャージを着るとむわぁ~っと暖かい!!大成功。思わずにっこりとします。準備を済ますとあとはPC4高山のローソン目指して走ります。温まった体はスピードを順調に上げ、向かい風の中を7時45分到着。既にクラインさんとゆーばーばーさんが到着しておられました。クラインさんは仮眠せずに峠を越え、ここローソンで仮眠されたそうで歯の根がガチガチと合わないくらい体が冷え切って居られました。「こんな処で寝るなんて!?」と思わず声を上げてしまいます。早速朝ごはんを食べます。暫くするとひらまつ監督が滑り込んできます。これで全員また揃いました。

「あのご夫婦は??」と心配しているとまみぞーさんご夫婦がギリギリで滑り込んでこられました。なんと8時4分制限時間1分前という名人ぶりです♪やろうと思ってもなかなかこういうことは出来るものじゃありません。

ここで暫く休んでまたひらまつさん、クラインさん、ゆーばーばーさん、腹ぽん、私の5人で国道41号線飛騨街道を下呂温泉目指して走り出します。先頭は腹ぽん、向かい風をものともせずに引いていきます。暫くすると宮峠800mの登り。クラインさんが軽く登っていかれる後ろを離れて追尾していると頂上で尾澤代表がカメラを構えておられました。K氏と尾澤さん、このお二人はこのブルベをずっと600キロ見守りつづけて追いかけ続けてくださっているようです。そのご苦労になんだか心が温かくなります。

峠を越えるとクラインさんが先行して見当たりません。ひらまつさんも下りで追いついてきそうなものですが・・・。次の下呂で合流できるだろうとそのまま進んでいるとどこからともなく現れたクラインさんが「道の駅なぎさでひらまつさんと遭いました。一寝入りするそうです。」と教えてくれます。ここから大垣内の交差点を曲がり、川沿いの道を下ります。行きは向かい風だったこの区間、なぜか帰りも向かい風です。景色は良いのですが生憎の雨。山は水蒸気を上げ続け、カッパは着続けですが、「帰り道」「ここから200キロ走ればおうちに帰れる」という気持ちがDNFするという気持ちを見事に追い払ってました。

下呂のコンビニに到着して早めのお昼ごはんを食べていると、まみぞーさんご夫婦が通りかかり「あ、休もう」と寄っていかれます。そこにひらまつさんも到着。また全員揃いました(笑)。ここでしっかりと食べたあと5人で出発です。この後舞台峠を越えるぐらいまでは楽しく走りました。でもその後下りが続き始めると、眠気が襲ってきます。どうしましょう・・・。

一瞬意識が飛んで車線側に出て行くことが何度あったか・・・(^^;・・・10回以上。眠いので下りでスピードも出ず、皆に迷惑を掛け始めました。どうしたもんか考えます。

「そうだスリルだ!」ということで下りでは慎重な腹ぽんを追い抜かして思いっきり突っ込むことします。あっという間に目は覚め、びゅーんと下る楽しさにワクワクします。でもそれも傾斜があるうちだけ。平地になるとまたもや眠気が襲ってきます。ひらまつさんも眠いとのことで「道の駅・花街道付知で休んでから行きます」と離れていかれます。私は大丈夫といったものの、その後また眠くて眠くてsleepysleepy 「やっぱり私もどっかで仮眠する」と言うと「PC5の時間がギリギリだから急がないと」と腹ぽんにムッとして言われます。眠っている暇はないんだ・・・。行くしかないのだ~~、と思っていると優しい(?)腹ぽんはスピードを上げ、付いて行くのが精一杯くらいにしてくれるのです、ハイ。

「ぐぇ~~~、速い~~~~」と必死で付いていくとゆーばーばーさんが千切れて腹ぽんとクラインさんと私だけ。眠気はお陰ですっかり消えました。PC5最後のPCについたのが14時半過ぎ。14時56分のクローズの25分前でした。

ここで暫く補給・談笑をして休み、「強眠打破」という眠気覚ましをクラインさんに進められて飲みます。「もうそろそろ出ないとゴールが危ない」とひらまつさんに促され出発します。でも、まみぞーさんご夫婦は悠然と休憩。そののんびりとした余裕に驚きつつも、大丈夫かなと少し心配になりつつコンビニを出ます。ここからゴールまで100キロありません。二桁の距離しかないんです♪素晴らしい~♪ゴールは近い♪

でも、往路にこなしたアップダウンが待ち構えていることを思うとちょっとブルー。上がったり下がったり忙しかったんですが、あれって意外と体力を奪うのです。文句を言っても仕方ないということで走り始めます。「強眠打破」が利いたらしく眠気はありません。川沿いの道に入って武並橋を渡ります。「おお、懐かしい。」なんて言ってる場合じゃないことに気づきます。

「うおっ、勾配13パーセント!うおっキツっ」とポラールが表示する勾配を読みながら御自分を鼓舞している(多分)ゆーばーばーさん。「斜度は聞きたくなーーい♪」と横を抜けます。往路でこんなに下ったっけ??と首をかしげながらえっちらおっちらと登り上げます。

ここでゆーばーばーさんが見えなくなりました。下りが早い方なので次の下りで追いついてこられるだろうと思っていたらひらまつさんしか来ない・・・・。不思議に思いながらもそのまま走ります。ゴールでお聞きするとチェーンが切れたとのこと。申し訳ないことをしました。

その後もあっぷあっぷだうんだうん、あっぷだうん、と繰り返しいい加減嫌気が差してきた頃、あと20キロ地点の交差点のコンビニで一休み。もう坂は見たくないと思いますが、小物ながらアップダウンはまだ続くようです。飲み物を補給します。それから一気にゴールまで。やっとこさ平地に入ると腹ポンの引きが強くなります。

「そんなに急がなくても間に合うんだけど・・・」と思うも遅れるわけにもいかず、筋肉痛で痛む脚を叱咤激励して最後の市街地を進みます。

ついに堤防道路、矢作川沿いの道に出ます。ここからは3キロほど。ちょっと速度を落として。ひらまつさんが併走してます。

「あ!あそこや!!灯が!」

P4260025  ゴール!!

20時35分、39時間35分で完走です。

自転車を降りると脚がふらついてコケそうになりました。

暫くするとまみぞーさんご夫婦、ゆーばーばーさんが入ってこられます。

皆で完走を喜び合います。走り始めた時は完走できるとは思ってませんでした。でも、蓋を開けると仲間は全員完走です。

私が完走できたのは腹ポン始め、仲間のお陰です。今回振り返ってみると、仲間と走った区間はヘタレながらも苦しさはそれほど感じませんでした。腹ぽんと二人になった時甘えが出るのか苦しさが表に出てきます。

仲間で走れば苦しさは5分の1、楽しさは5倍

そんな感じ。私にはないものを持っている人たち。例えばひらまつさんのしなやかな緻密さと同居するなんでも楽しむ姿勢。クラインさんの爽やかで真面目な気持ちよさ。腹ポンの深い自転車の知識と経験と温かい体力。ゆーばーばさんの無尽蔵な体力と地図読み能力。そんなお互いにないものをお互いに認め合っているからこそ一緒に走れたのだと思います。私にもほかの人にはないナニかがあって、それが他の人を力づけれたら良いのだけれど。

ゴールスタッフの方も喜んでくれはりました「良く走りきりましたね」と。「待っても待ってもなかなか完走者が来てくれなくて (^^;」とも。完走12人、私たちビリっけつ組とトップグループとは9時間近い差があります。その間ずっとチラホラとやってくるブルベストを待ってて下さったんです。そりゃ大変だったしょう。

最後に素敵な「To see the Sea」コースを設定して下さり、ずっと600キロを車で見守りつづけ無事ブルベを開催して下さった名古屋ランドヌールクラブのK氏と代表に心からお礼を。出来ればまた 晴れsun の日にまた走りたいコースです(^^)

| | コメント (0) | トラックバック (1)

BRM425 To see the sea !!  ③

  4.本編その3 (起死回生)

 高山を過ぎて漕ぎ出すとどうしたことか脚が酷く軽く感じます。高山PCでスタッフの方に「うちがケツですよね?」と聞くと「いえ、まだ後ろに大分居ますよ」と教えられて驚いたり、「ひらまつさんとクラインさんはコンビで走ってはりますよ。大体入れ違いくらいでPCに入ってきてますね」と客観的な位置を教えてもらったことも心の支えになりました。

 しんどいのは私だけじゃないのです。皆苦しいながら走り続けているのだと思うと勇気が沸いてきます。まみぞーさん達もPC毎に前後しながらご一緒になり、その淡々とした姿に励まされるのでした。私にはない強さを奥さんに見ます。

 広い街中の道沿いを峠に向かって走ると、なんとスピードがどんどん上がっていきます。27キロ毎時、29キロ毎時、30キロ毎時を見た時は感動しました(下りです(笑))。出発以来初めての30キロ巡航です。でもしんどくありません。

「私、走れる!!!!走れるよ!腹ぽん!!」

後ろから叫びたい気持ち。腹ぽんがここまで辛抱強く待ってくれたお陰で200キロを過ぎた今、ようやっと風邪を超え、びしょ濡れの寒さを超え、ハンガーノックを超えて本来の私の走りが還ってきたのを感じます(これも勘違いだったかもしれませんが)。

謳おう!!雨のブルベを謳って走りたい!!(殆どランナーズハイ?)。

noteアロンザ ファ デユ ラ パトリーユ!・・・・・noteなぜかフランス国歌を大声で謳いながら雨の国道を走ります。(なーぜー・・・)お次はnote・・・トールナー、ソーレントォー、ノンファルミー モッジール!!note「帰れソレントへ」を熱唱。

そしてふと「君の行く道は」を謳います。

note君の行く道は 果てし無く遠い なのに何故 歯を食いしばり 君は行くのか そんなにしてまでnote

嵌りすぎの歌詞に思わず一人で爆笑します。もう、果てし無く遠いし、ワケわかりませぬ♪と一人で突っ込みを入れ、ここで笑えた自分が嬉しくてまた、ひとしきり一人で笑い続けました。まあ・・・・・・傍から見れば笑うどころかドン引きでしょうが (^^;

峠に入る道は傾斜が少し強くなってカーブを描いているのが前方に見えます。そこを4人ほどのブルベストが登っているのが見えました。オレンジ色の雨具が見えたように思ってひらまつさんかと期待します。が、腹ぽんに「ちゃう」と敢無く却下しますが、海苔の習性でしょうか、前方に餌を見て腹ぽんの脚が早くなるのが判ります(笑)。私はマイペースで登りますが、それでも差が縮まっていくのを見て頂上までには追いつけるだろうと嬉しくなりました。と、「やっぱりひらまつさんやheart02!!」と超嬉しそうな腹ぽんの声。ぐいぐいとスピードを上げて追いついていく姿は、仲間に遭えた喜びに溢れてます。和やかに談笑する姿を見て、私も少しだけ無理のない程度スピードを上げます。

ひらまつさんとクラインさんに追いついたheart04 これで安心heart04

心の底から暖かい気持ちが沸いてきました。久しぶりにあった友、元気に笑って走っている♪懐かしいなあ!よくぞここでまた遭えた、そんな気持ちです。

   5.本編その4 (日本縦断の時)

そこからはひらまつさん、クラインさん、キャノンデールの方、腹ぽん、私の5人で峠を登ります。皆でおしゃべりしながら登る峠の楽しいこと!!決して絶対的には楽ではないのです。ゼイハア言ってますが、今までに比べて先に希望が見えてきたのもあり、皆で越えれば怖くない、という気持ちもあり、ひらまつさんの笑顔もありで。登りの途中でゆーばーばーさんを吸収します。「ゆーばーばさん♪バナナ落っこちてましたよん♪」。高山PCを出て直ぐにゆーばーばさんのバナナが路肩に落ちていて腹ぽんと爆笑していたのでした。そこからは6人で♪皆で登る峠は短くて気が付いたら「すごう峠」とやらに到着していました。

ここから延々下ると富山に到着するはずです。ひらまつさんの超早下りに必死についていくと寒いことも忘れます。折角追いついたのに、ここで離れてしまうのは勿体無いもの。

ここらで休みたいなあ・・・と思っていたあたりで道の駅「細入」が現れます。手をひらひらとさせて誘導するひらまつさん。あり難い confident。ここの自販機で飲み物を買ったり持参したオヤツを食べたりして20時頃から20分近く休憩します。

P4250016

ひらまつさんからは「TRAIN BLEU」のパンの差し入れを頂きます。美味しかったと思うのですが、ここらあたりから何を食べても苦味を感じるようになっていて本当の美味しさは良く判らなかった用に思います。これは是非リベンジしないとねconfident。それにTRAIN BLEUのホームページにはこんな説明がありました。

長い道のりを、目的地に向かってコツコツとひたすら走り続けてゆく、という願いを込めてつけました。

なんともはや confident 私たちのためにあるようなパン屋さんではないですか。寄れなかったのは悔しい限りです。細入道の駅を出てからも急降下速度は緩むことを知らず、対向車がくるとライトが眼鏡に反射して怖い思いをします。でもここは無理をしてでも付いて行きましょう。街中まで一気に下り、その後も快進撃は止まりません。久しぶりのトレイン乗車は気持ち良く、距離を一気に稼いでいきます。富山のPC300キロ地点手前に到着は高山で思っていたより早く22時15分のことでした。もっとも最初の運行予定では富山に21時に到着する予定でした。1時間以上の遅れです。果たして寝る時間はあるのでしょうか?

ここから富山新港に浮かぶ海王丸を見に「海王丸パーク」へ向かいます。これは「観光」ではなくブルベ主催者の「指示」ですので外すわけにはいきません。

P4250018  海王丸はひっそりとライトアップされて夜の港に浮かんでいました。日本海までやってきたのです。とうとう・・・・・・・じんわりと嬉しさが込み上げてきます。やった・・・・。

「腹ぽん・・・・・ここまで来れたのは腹ぽんのお陰だわ・・」「いや、僕のほうこそ」。なんでだか判りませんがお互いに感謝の気持ちがありました。ここまで苦しい時はお互いに対する愛情というか気遣いを糧にして走ってきた面があるからかもしれません(ちょっと面映い・・・)。

そして「ナントカの湯」でお風呂に入って仮眠して♪服を乾かして♪と夢のようなアロハ~な世界を思い描いてワクワクと健康ランドに向かいます。が、なぜかもう夜の23時15分です。がびーーんと打ちのめされます。これじゃ24時終業までお風呂に入るだけで時間は過ぎてしまいます。特に女性はお風呂に入った後が長いのです。15分仮眠できれば良い方だと気づき、悩みますがここはパスしてもう少し仮眠出来る場所を探そうと思いました。

腹ぽんも元々気が進まなかった仮眠場所ですので、ここで休むクラインさん達にお別れを言い、二人で高山目指して走り出しました。海抜0の富山と高山との間には真夜中の「すごう峠」895mが立ちはだかっているのですが。

   6.本編その5 (闇に謳えば夜に呑まれて、朝の光が峠を照らす)

「高山のラブホで眠ろう♪」この時はそれだけを考えて引き返しはじめました。でも、暫く走ると緩いながらも登り基調、だんだん脚が重くなってきます。今から良く考えると夕方5時に高山を出てからまともな食事はしてません。高山から100キロ碌な補給もせずに更に峠を越えようとしてました。だんだんと腹ぽんに付いていけなくなり「どこで休む?休もうよ」と懇願すると「来る時に休んだ道の駅細入で休む。」と。富山から約50キロ地点です。つまり道の駅から往復100㌔を休み無しで走るつもりのようでした。

 それは私には無理かも知れない、と思います。脚はますます重くなる。眠いのかしんどいのか良く判らないのですがスピードが極端に落ちてきたのが判ります。

 とうとう「ダメだ、休ませて」と泣きつくと、ぎょっとしたように振り返りました。慌てて休息場所を探します。幸い直ぐ傍のスーパーの自販機の上に屋根があり雨が凌げる様です。そこに行くといきなり地面にゴロンと横になってしまいました。とうとう私も自転車難民だな、などと思います。実は皆と走った富山市内の高速トレイン巡航が大分堪えていたのです。少し休みたかった。。。。。今頃クラインさんはお風呂に入ってさっぱりしてるだろうなあ、と思っていると腹ぽんがこっちにベンチがあるよとおいで、おいで、と抱えるようにしてベンチに寝かせます。横になって目を瞑ると全身の力が抜けていき、アースみたいに脚から地面に疲れが抜けていくのが判りました。ほんの少し10分ほどの仮眠でしたが、目を開けると走れそうな気がします。横になったまま見た視界の中で腹ぽんは寝ずにコーヒー缶を飲んでいました。

「行こうか」「大丈夫?」「うん」

さっと準備して走り出します。体が軽い。仮眠テ意外と効果があるなあ、と思いつつ市街地を抜け41号線神通川沿いの道をえっちらおっちらと登っていくのです。下を流れる神通川は「どぉっ どぉっ」と物凄い音を立てて岩にぶつかって流れています。夜の闇のなか目を凝らすと爆発したように白く泡立つ奔流がうっすらと見えました。

「どぉっ どぉっ」 雨が降り続く中、奔流の音を聞きながら山を登ると少し不安になります。じんわりじんわり登っていき、ああしんど、と思った頃道の駅細入に到着です。ここで休憩と補給をします。誰もいない道の駅、飛騨牛串の貼り紙が虚しく光っていました。飛騨牛は今回は縁がなかった・・・(悔)。ここから峠の頂上までまだ20キロ以上あるはずです。流石にゲンナリしますが、「ゆっくりでも登り続ければちゃんと着くから」と、もはや呪文のように唱えつづける腹ぽんの言葉を頭の中で「ウン、判ってる。登り続ければ・・・」と繰り返すばかり。適当に休んで峠攻略に乗り出します。

でも走り出してまもなく、富山県と岐阜県の県境の猪谷トンネルで腹ぽんがパンクしました。次の小さな庵谷トンネルの出口まで走り、そこでタイヤの交換をします。夜中の2時くらいだったでしょうか。幸い雨は当たりません。ただ風がトンネル入り口目掛けて吹いてきて、止まっていると寒いのです。チューブラータイヤを外しにくそうな腹ぽんに「何か出来ることある?」と聞くと「手拭だして」。もうべしょべしょになっていましたが手拭を絞って渡します。「あとは?」「タイヤレバー出して」。ツール缶からタイヤレバーを引っ張りだして渡します。私に出来ることはあとは折りたたまれた予備タイヤを伸ばしておくことくらい。と、広げ初めてぎょっとします。一度ホイールに嵌めていてトレッド面が薄くなったので予備タイヤにしていたのでしょう、タイヤの接着面にはびったりと接着剤が残ってました。それが折りたたまれてトレッド面にべたべたとついてます。

「これは・・・・・・ゴミを拾ってパンクさせてくださいと言ってるようなタイヤだわ・・」

必死になってトレッド面を手拭で擦り接着材を落とそうとします。でも全然取れないの(泣)。とうとう諦めてこう思うことにします。「きっと雨で接着力が落ちてゴミなんか拾えないよ」。何も言わずに手を伸ばした腹ぽんにタイヤを渡します。腹ぽんが作業している間、私に出来ることは殆どありません。段々と体が冷えてきます。背後のトンネルのヒューヒュー音を立ててる気味の悪い暗い空間に呑み込まれそうな錯覚に陥ります。闇が怖い・・・。不安な気持ちが蓄積されて、30分弱で腹ぽんのタイヤ修理が終わっても体、いや心が冷え切ってました。ブルブルと震えて「腹ぽん、寒い・・・ぎゅうっとして。」と小さな声で言うと腹ぽんがゴシゴシと抱きかかえて体をさすってくれながら「御免なあ、パンクして御免なあ。」と言い続けました。パンクは誰のせいでもないのにねえ・・・。なんとなく心と体が温まり、二人で出発です。

暫く走って割石温泉手前、3時ごろです。雪から道を守る援壁が続くあたりでどうしようもない眠気が襲ってきます。眠い眠いと言っていると腹ポンが「もう高山でホテルに行く時間もないしバス停で寝よう」と言います。やった~happy01。寝れる~♪。それだけが嬉しかったです。割石温泉のバス停が目に入ります。PCでのブルベ主催者K氏の情報通り立派な引戸のついたいかにも寝れそうな建物です(と、その時は思いました)。いそいそと中に入ると、2畳位の建物の中にちょうど二人分、L字型のベンチがあります。

しかも扉を閉めると中は暖かいでわないですかっ happy02 二人の体温で室温があがっていくのも感じます。ほっと安心。「いや~、ここ好いねえ~♪」「ほんまええとこ教えてもらったね~♪」と腹ポンがいそいそとエマージェンシーシートを出してくれます。ガシャガシャと音を立てながら銀色の薄いシートに包まり、ベンチに横になります。顔の半ばまでシートで包んで目を瞑ると、全然寒くありません。全身の力が抜けるような安心感に一気に眠りに落ちていくのを感じました。遠くで「1時間後4時過ぎにアラームかけとくね。」という腹ポンの声を聞きます。「私、全然平気で寝ちゃいそうダヨ、腹ポン♪」心の中で呟くとあっちゅう間に意識がなくなっていました

・・・・・・・・ふと目が覚めます。川が流れる音が聞こえます。バス停の窓からは明るい朝日が見えます。寝ている間に夜が明けたのですね。寝過ごしたのかな~、気持ちいいなあ~。お外でなんか寝れないて言ってたの誰だったけな~、などと考えながらお布団(銀紙ですが・・)の中で愚図愚図してると少しシ・ア・ワ・セ・♪人間、暖かく寝れたらどんな状況でも幸せになるものなのですネ♪

と、腹ポンの携帯が鳴り響き始め、寝過ごしたんじゃないことを知ります。何時もの朝のように「うぐ・・ぐうう・・」と寝惚けた声を立てながら、腹ポンが目覚ましを止めるのを見て「起きてるよ♪」とエマージェンシーシートから起き上がります。二人でシートを畳むのに手間取りながら、ライトをつけると準備はオッケイ。

雨もやんで外も心配したほど寒くなく、また登り始めるのでありました。えっちらおっちらと上っていきますが1時間の仮眠はえらいもんでして体がえらく楽になります。途中で降り出した雨の中、眠気もなくなってすごう峠に到着したのが 5時55分でした。P4260021

記念撮影します。ここが今回のブルベの一番の山場だと思ってました。ここさえ越えたらあとは高山PC400キロ地点まで一気の下り、高山からは200キロを残すのみです。

「完走できるかも」と思い始めたのはこの頃です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

BRM425 To see the sea !!  ②

     2.本編その2(かぞえ切れない雨 つづき)

P4250010  まみぞーさんご夫婦に「出発時刻に遅れられたのですか?」とお聞きすると「イエ、いつものことです。準備が遅いので。」と軽く答えられます。そののんびりとして調子にちょっと吃驚します。実はこの新鮮な驚きはその後なんども味わうことになるのですが、その時はまだそのことを知りません。

腹ポンが追いついて4人で暫く走ります。ずっとまみぞーさんが引いて下さっているので腹ポンがすっと前に出て引き始めますが私のオルトリーブのサドルバックの口が開きかけているとのことで信号で路肩に止まります。その間にまみぞーさんと奥さんは行ってしまいました。

雨はぜんぜん止む気配もありません。二人で走りだしますがこの時暑かったか寒かったかまるで覚えていません。ただ、去年の近畿200キロの雪ブルベでは雨具てすばらしいと思えたのに、今回はなんだかそうも思えなかったです。雨がどこからともなく進入してしてくる感じ。防水が落ちたのでしょうか?それとも雨量が多いのでどうしても雨が入ってくるのでしょうか。じわじわと服が濡れていく感じが気持ち悪いのです。濡れていくにつれて濡れたところが寒くなっていきます。

出発から23キロ、左折する交差点を見落としてミスコースをします。何キロか走ってふとGPSをしげしげと見た腹ポンが気づいて「ゴメン」と謝りながらUターンです。暫くして復帰すると左手のスーパーらしきところにまみぞーさん達が自転車を置いておられるのを見ます。

・・・・・・私も休みたい・・・・と思いました。この頃一段と雨が激しくて道路を打つ雨が一面に跳ね上がっていました。でも、私の今日のペースはどうしようもなく遅いのです。冴えないのです。

「超亀には超亀なりの走りがあるのだ。ゆっくり休みなしの亀なりの走りでだって走りきれる筈サ・・・・・・・・・・・・・・・でも・・・・・でも・・ホントニ??・・・イヤいけるさ?」自問自答を繰り返します。自分でもまったく自信が持てません。暫くするとアップダウン区間に入ります。暑くて暑くて仕方なく、そこから雨が進入しますが自分でもどれくらい濡れてきているのか良く判らないまま少し寛げ気味で走りました。

下りになると腕も胸元も寒くて寒くて(泣)。濡れてしまった上にどうもこの雨具は風を通すよう。きっちりと閉めても閉めても寒いのです。これ以降PC1まで登りと寒さとの戦いになります。いつもなら登りが遅い分、下りで取り返すのですが寒くて時速25キロくらいしか出せませんでした。腹ポンは何も言わずにペースを合わせてくれます。時折「大丈夫?」と聞いてくるのは、やっぱり私の様子がいつもと違うのだろうなあ、とぼんやり思います。

「狛犬の交差点!」(50キロ地点)と指差しながら叫ぶ腹ポンの声にはっとして目を上げると巨大な狛犬が二体並んで座っていました。P4250011

参道の両脇に居るものと思い込んでいたので、こんな風に仲良く並んでいると驚きます。美濃焼きの世界一の狛犬だそうですが、なんとなく中国チックやなと思いながら通過します。

暫くして木曽川にたどり着きます。

Img_9763  武並橋(79キロ地点)(写真はシイナさんのサイトから頂きました。)。

綺麗な緑色の川と赤い橋がとても美しくて写真を撮りたいと思いましたが、雨の中携帯を引っ張り出すことは出来ません。それにそういう余裕もなくしてしまってました。

その後登ったり下ったりをやたら繰り返して10時半ごろ、PC1のサークルK(95キロ地点)に到着です。出発してから5時間半、飲まず食わずで休みもせずにここまで。疲れきりました。寒くて寒くてどうしようもなく、「PC1はまだかな・・・」と腹ポンに聞いてみたりしてました。調子はぜんぜんダメダメ。

Img_9775 トイレに行くと雨具を着ている筈の上のジャージも下のタイツもびっしょりと濡れていることに驚いてしまいます。そりゃ寒い筈だわ・・・・。

折り返し地点で着替える筈でしたが寒いものは仕方ありませんし、折り返しまで行けるかどうかも危うくなってきたので上のジャージを着替えてしまいます。冬物の長袖です。着替えると大分気分が良くなりましたが、これで乾いた着替えはなくなってしまいました。本当はここでリタイヤしようかとも思ってました。ここからなら名古屋になんとか自走で帰ることも可能です。今の私の調子では完走はムリ、どこでリタイアするかだけだなあ、と思いはじめていました。尾澤代表が顔色の悪い私を見て「こういう日は下呂温泉でリタイアして、温泉に一泊して帰るのが一番賢い選択かも」とおっしゃいます。

なんと素敵な響き・・・・・下呂温泉でぬくぬくと♪一泊♪shine 雨天走行とは大違いshine

このプランが光り輝くように感じられた私です。なんとしても下呂までは行こう、着替えもしたしそこまでならいける。下呂でどうするか考えよう。

走り出すと乾いた衣類は肌に心地よく、補給も出来てペダルはいきなり軽くなります。と、腹ポンが後ろを振り向いて、「100均雨具を雨具の下に重ねたらどうだろう?」と言ってきました。ちょうど折りよく公園のトイレがあります。そこで「雨具2枚重ね」を仕込みます。

走り出すと通気性のまったく無い100均雨具が功を奏して風の進入を防ぐのです。寒くありません!!確かに暑いかもしれませんが、濡れるのはどちらも同じです。賽の神峠まで上りでは暑苦しくて汗をいっぱいかきます。でも今にして思えばこの「どんだけ汗が出るねん!」って程汗をかいたのが良かったのかも。なんだかサウナに入ったように気分が良くなりました (^^;

Img_7469  賽の神トンネル手前(120キロ)。左手にご注目。

手鼻を噛んだあとのようです・・・(情けな~)。ずっと鼻水が止まらず、行きの300キロはずっと手鼻を飛ばしながら走ってました。

Img_7468  比べて余裕の腹ポン。

かっちょいい。惚れ直しました。

Img_7363加えてこれがひらまつ監督とクラインさん。

楽しげです♪いいコンビですネ。

でも調子が良いなあと思ったのはすぐに終わってしまいます。次の舞台峠、それを越えたあたりで酷くしんどくなってしまいます。今回のブルベは不思議なことに登りはそれほど苦にならず、平地と下りがしんどくてスピードが上がらずに苦戦しました。もう下呂温泉だとわかっていながら、「腹ポン、少し休ませて・・」と後ろから声をかけて休まざるを得ないのです。下呂の手前でお握りを食べます。雨具の内ポケットに入れていたのですが、三角お結びの角の部分は濡れてびしょびしょでした。濡れているだけなら、まあ、良いのですが100均カッパについていた化学物質がついたようで、なんとも苦いのです。毒の味のするお握りにいつの間にか変身していて情けなくなります。

走り出すとすぐに腹ポンが止まります。パンクのよう。雨の中路肩でチューブラータイヤを交換します。私はお陰で少し休めた感じ。手早く交換してまた下呂を目指します。

下呂温泉は大体150キロ地点。富山までの半分の地点です。雨は強くなったり弱くなったりしながら降りつづけていました。温泉街のコンビニで補給食を買います。少し口にしますが、プリン程度だったと思います。今から思えば補給が少なすぎたのです。いつもならトレイルミックスなどを走りながら食べ続けているので、コンビニ等の補給はそれほど頑張って食べる必要もなく、そのままの調子で食べてました。でも今回は雨で走行中の補給はまったくとる事が出来ていなかったのでした。

「どうする?大丈夫?高山まで行く?」と腹ポンが聞いてきます。どうでしょう。なんとなくもう少し高山くらいなら走れそうな気がします。高山200キロ地点でDNF・途中リタイアで良いんじゃないかな~と薄らぼんやりと考えます。

「行けるよ。行こう」と答えます。でも腹ポンの顔を見るとそれで良いのかと思う。私が無理にブルベに参加したばかりに腹ポンまでDNFに巻き添えしようとしているのです。情けなさと申し訳なさがキリキリと胸を穿ちます。

  2.本編その3(死に所~DNF地点を探す)

「高山まで行ったら・・・・高山まで行ったらDNFしよう。DNF出来る。」腹ポンには申し訳ない気持ちだけど、体が言うことを聞かない。もう無理だ(泣く)。雨の中を走っていても、どうして自分がこんな雨の中、びしょびしょで走り続けているのかまったく理解が出来なくなっていました。

でも腹ポンは絶対にDNFという言葉を口にしないのです。「高山まで行こう。とにかく高山まで。そこで考えたら良いやん。」努めて明るく言ってます。「頑張れ!もうちょっとやん。高山まで行ったら富山まで下り基調や!」とも。

マジマジと顔を見ます。高山と富山の間には今回の旅で一番大きな峠が待ち構えているはずです。それでも「下り基調」と言い切るこの人は・・・。

・・・・・・・・・・・腹ポンはどうしても富山に行きたいのだ。

気づきます。今回のブルベは「日本海まで走りたい」というのは腹ポンも同じ。富山まで走りたいと願っているのです。胸が苦しくなる。私も頑張らないといけないのは判ってる。でも頑張れるかな。力なく頷いて見せますが、そのまま俯いてしまいました。

高山までは向かい風です。ふらふらと走ります。登りで12キロ毎時、平地で18キロ毎時。なんでこんなに差がないの。。。。(泣き笑い)。宮峠を超えてもそこからの下りは超のそのそです。自分でもへたれていても登り区間だけはしっかりと走っているな、と思いつつ、それが不思議でした。高山手前でどうしても走れなくなり腹ポンのフロントバックからリンゴディニッシュを貰って食べます。自分でも目がうつろになっているのがわかります。「ハンガーノックだ!!」とここにきてようやっと気づきます。補給食はそれほど持ってなかったので高山PC2(200キロ地点)で何か食べよう、それだけを心において走り出します。

高山PC2はローソン。17時前に到着します。暖かくてカロリーのあるもの。カップラーメンを買い、熱いラーメンを啜り上げた時の感動。

美味しい・・・・weep・・・・暖かい食べ物ってこんなに体が喜ぶんだ。たんまり食べてスタッフの方と話をします。主催の方の話だと雪深いここらあたりのバス停はドアがあって中で仮眠するのに最適だとのこと。高山に帰ってこれるかどうかは判らないまま、その情報は有り難く頂きます。

ここでゆーばーばさんと再会します。これまでも何回かPCごとにお会いしてました。今年の名古屋200キロを一緒にゴールした三田の海苔さんです。お一人でマイペースで進んで居られるようで、その強さにいつも感服してしまいます。一足先にPCを出て行かれましたが、サドルにつけたボトルゲージにはバナナを2本危なかしく挿してはります。「多分落っことすかな~」と言いながら出て行かれました。私も食べると元気になったのが自分でも良くわかります。これならなんとか富山まで行けるかもしれません。いや、行くのだ。腹ぽんのためにもなんとしても。富山についたら後は野となれ山となれだ(イヤ、山は困るナ)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

BRM425 To see the sea !! ①

はっきり言って今回のブルベの記録は笑い所がありません。それくらい余裕がなかったです。体調は悪いわ、雨は酷いわ、坂ばっかりやの三重苦。

Photo コレです。これが日本列島ぶった切りのカタチなんですよね。見事に平地がありません。そら余裕もなくなるわってことで。

唯一自慢して良いと思うのは、愛知県豊田市から富山県新湊市まで手鼻をかみ続けて走った結果、見事、日本縦断鼻水マーキングに成功したことくらいでしょうか(笑)。

( ̄ー+ ̄) ふっ。鼻水から西は私の縄張り  <犬ですかっ

ということで、元気にリポート行ってみましょう~。

   1.本編その1(出発まで)

前日の夜に名古屋入りして翌日5時集合に備えます。本当は私だけ先に車で名古屋入りする予定でしたが、前日買い換えたばかりのムルティプラに乗ってみると・・・・

ブルンブルンブルン・・・ぷすン・・・・・・・・・(鳴り響く警告音)

ということなんですねえ?crying 「クラッチを切らないと!」「クラッチってどうやって切るの?」と聞く嫁に

( ̄◆ ̄;) ハア? と呆れ果てる旦那。こりゃ無理でしょうということで一緒に車で名古屋まで行くことになりました。実は未だに運転できません。ムルたん、ム~リ~(泣)。

 名古屋のホテルでお風呂に入りながら、一週間乗らない間に細くなった脚を見ながら不安になっていた。不安はその他色々あったのです。風邪を引いていつ熱が出てもおかしくない状況で、雨が降るであろう中を600キロの自転車の旅に出る不安、風邪で補給食が準備不足であることの不安。距離に対する不安。雨に対する不安。数え切れないくらい。それでも苦労して調整したこのチャンス、夫婦揃ってスタートラインに立つことが出来るチャンスを生かしたかったのです。

 それに海を見たかった!!中部日本を縦走して日本海を見ることが私の夢の一つだったから!!。「自転車少年記」で草太が東京八王子から諏訪湖を抜けて日本海に走る場面があって、それを読んで以来何時かは走りたいと思っていました。と、その時この「To see the Sea 600キロコース」が名古屋ランドヌールで上がりました。「これだ!」と思った。

雨でもとりあえず走ろうと心を決めました。

朝、出発地点に向かうと雨はまだのよう。祈るような気持ちで空を見ます。90%の雨予報は伊達じゃない雨雲っぷりに心が重くなるばかり。柳川瀬公園に着くともう皆さん到着済みでした。

「このままなんとか天気が持ったりして?」と期待していると、ポツンぽつんと雨が落ちてきた。内心がっくりと肩をおとす。百均カッパで済ますかどうか悩んでいるとひらまつ監督はそそくさとオレンジ色のおにゅーのゴアテックスを着込んでいるじゃあ~りませんか。それが矢鱈と嬉しそう。雨合羽であれなんであれ、新装備というものは嬉しいものなのだな~、と思った私でしたが、これは後々間違いだと気づきます。雨のブルベ中、ずっとひらまつさんは実に嬉しそうだったんですねえ・・・・。ウンウン・・なんでも楽しむ名人だったということですね♪水色クラインさんもモンベルの雨具を着てブリーフィングを聞きに行きます。

気になるのは腹ポンの用意が出来ていないこと。でも受付を先に済ませたりブリーフィングを聞かないといけないと思い込んでいるようで、自分の準備もしないで東屋に行ってしまいました。今更コースの変更もないでしょうし、今更300キロ先の注意点を言われても覚えてられないだろうになあ・・・・。結果やっぱり出発時間5時になっても出発出来ません。5時17分、参加者が居ない駐車場をやっとこ出発します。

       2.本編その2(数え切れない雨)

堤防の上の道を走りながらクラインさんが「大丈夫ですか?」と聞いてこられます。「あんまり・・・」と言葉を探します。だって走り出してあまりに脚が回らないことに直ぐに気がついたから。暫く走るとひらまつさんとクラインさんのスピードについていけない自分に気がついて愕然とします。巡航は25キロってとこでしょうか?それについていけないって、どういうことだろうとPOLARを見ながらショックを受けました。1週間風邪で寝ている間に筋力が落ちたのか、はたまた体力が落ちているのか・・・・。どちらにせよ何時もより苦しい旅になることをハッキリと突きつけられた瞬間でした。

雨はあっという間に強くなっていきます。堤防の上の道を遠ざかっていくひらまつさんとクラインさんの背中を見て心が折れそうになります。

P4250008 「もうこれで会えないだろうな・・・」と思いました。

気になるのは腹ポンのこと。私がムリをして参加したせいで、ひらまつさんたちと一緒に走れなくなりました。悪くすると私はリタイアするかもしれません。

そうなったら・・・?腹ポンは・・・?

きっと私のリタイアまでに大きな負債を背負い込んで、それに苦しみながらゴールを目指すことになるでしょう。アカン!私、がんばらな!!

そう思っていた矢先、サドルバックの上に無理をしてつけた袋がお尻で押されて玉突き的にサドルバックを押し、サドルバックが脱落してしまいます。嫌なことは重なるものです。

「しまった!!ツール缶忘れた!」と叫ぶ腹ポン。雨の中、呆然と腹ポンの顔を見返します。「スタート地点に取りに帰ってくるから、先に行ってて!」

道が判りません・・・(泣)・・・地図にQシートを貼り付けたものを作って持ってきてましたが、国道153号に出るまでの市道・県道の区間は私の12万分の1の地図(ツーリングマップル)では正確にトレース出来ていないのです。最初だし誰か居るだろぉ~♪といういつもの能天気が災いしました。

「ここで待ってる(半泣) crying」というと「じゃ、ここで待っときよ!!」と言い置いて腹ポンが逆方向に走り出しました。その背中を見送って堤防の上に凝然と立ち尽くします。子供が親を待つような気持ち。数え切れない雨が私を叩きます。視線を下に落とすと小さな川が道に出来ていてその真ん中に立っていました。少し場所を移動してそれでもその場に立ち尽くしていました。

と、目の前をブルベな方が通り過ぎていきます。私たちより遅く出発するとは集合に遅れたのでしょうか?でも、見るからにスピードがあって今の私についていけるようにも思えません。「待つしかないか・・」と思ったころ、夫婦連れのブルベストが目の前を通ります。「まだ居たんだ・・」と見送って、なんとなくこのスピードならついていけそうな気がしました。腹ポンはきっと私がここに居なければ、先に行ったと思って追いついてくる筈です。

「腹ポン、ごめん!今は先に行くことがベターだと思う!!」と心で叫んで夫婦連れを追いかけました。それがまみぞーさんご夫婦でした。追いついて暫くご一緒に走らせていただきます。何度も何度も後ろを振り向いて腹ぽんを目で探しながら進みます。

「腹ポン、何処・・?・・・・weepweep

と、後ろに海苔の姿が!!青いカッパを着てハアハアと追いついてきたのを見た途端、ほっとしました。もう、離れたくないよ・・・(;_;)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年4月 | トップページ | 2009年7月 »